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翌日、大学の講義が終わり、駅前で駿河を待っていると、猫を探している貼り紙があった。その横に、少年を探している貼り紙もあり、状況などが書かれていた。猫と少年も同じ位置の貼り紙なのかと、見比べていると駿河がやってきた。
「両方とも、死んでいる」
「えええ!猫はともかく、少年が死んでいるのは大変だ…………」
猫は死んでいてもいいというわけではないが、少年が死んでいるというのは、放置しておけない事実になってしまう。
「そう言われても、死んでいる事実は変わらないからな……」
駿河は一卵性の双子だったが、その片割れの建治が失踪したまま死亡していた。だが、建治は冥界から駿河に通信していて、情報を流してくる。
そして冥界に来ているという事は、この世界では死亡しているという事になる。
「この子、死因は何だろう?このまま、放置はまずいよね……」
「…………まずいかもしれないけれど、俺は聞くしかできない。それに、冥界にいる連中は、大概、自分の死因を知らない」
だから、死んでいると分かっても、それ以上の事が分からない。
「行くぞ!」
「……せめて、時国さんに、連絡しておいて欲しい…………」
ぶつぶつと俺が駿河を責めると、駿河は仕方なさそうに、警察関係者である時国に連絡していた。
「駿河、こっちだ」
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