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この店員は、噂によると、どんな故障も直してくれるという。
店員は定食を持ってやってくると、俺の横にビールのケースを置き、端末を手に取った。そして、すごいスピードでバラしてゆくと、一旦店内に戻り、何かのパーツを持ってきて、又、すごいスピードで組み上げていった。
「器用ですね…………」
「そう?」
しかし、この店員は間近で見ると、可愛いというよりも二枚目に近かった。整った顔立ちで、身長もかなりある。見た目の雰囲気で可愛い感じに見えていたが、立派に男であった。
「それだけ機械に強いのならば、定食ではなく、修理をしたほうが良いのではないのですか?」
「ああ、人を探していて、この周辺にいると聞いてね…………」
人探しならば、俺達もバイトでしている。主に死んだ人が多いのだが、それでも人探しならばプロに近い。
「その人は誰ですか?」
「今、会えたからいいよ」
すると、定食屋で働いていたのは、人を探す為だったということだ。それも、この店の客層は学生が多いので学生で、しかも大盛りの店なので男だという事になる。
「…………今?会えた?」
「そう。八起さん。そちらは、駿河さんでしょう?」
俺ならば、探さなくても黒船に行けば会えたであろう。
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