15:恋の自覚(シエラ)

1/1
前へ
/100ページ
次へ

15:恋の自覚(シエラ)

 ふ~なんか今日は気疲れしちゃったな。  私は寝室で、寝る支度をしていた。  モヤモヤすることばっかりだったし。なんでだろ?魔女様こと、イライザさんは見た目に似合わずとても気さくな人だった。そういう意味ではアルバードと同系というか、だからパーティも組んでいたんだろうなと。  あれから、イライザさんといろいろ話してて楽しかったし、さすが冒険者、いろんな事に詳しくて話題も豊富だったし、お話事態はとても楽しかった。・・・楽しかったんだけど・・・当たり前だけど私の知らないアルバードと過ごしていたんだなって。  ・・・・・・  あ、またモヤモヤしてきた。  「モヤモヤする。」  「え?何のことでございますか?」  「あ、やだ!声に出ちゃった!」  私はあわてて、両手で口を覆ったけど、当然ながら時は既に遅しで・・・  「・・・姫様、何がモヤモヤするんですか?僭越ながらユーナがご相談になりますよ?失礼ですが、姫様の様子がおかしいことは気付いておりました。」  「え?・・・そっかユーナには隠し事できないわね。」  ユーナは、私を小さい時から見てくれているから、私の様子がおかしい事に気付いていたみたい。さすがだな。私は意を決して、ユーナに話してみることにした。  「あのね、聞いてくれる?」  「はい、お伺いしますよ。」  「アルバードが紹介してくれた、イライザさん・・・あの人のことでモヤモヤしちゃうの。」  「そうなんですね。具体的にはどういったところが?」  「そうね・・・イライザさんは人柄はとても良い方だと思うの。さっきもお話ししてたけど、楽しかったし。ただ・・・」  「ただ?」  「ただ、アルバードと一緒に何かをしてたことがあるとか、愛称で呼び合ってるとか、実際アルバードと仲良さそうなのも気になっちゃって・・・」  そういうと、何故かユーナの顏は嬉しそうな表情になっていた。  「まぁ、まぁ!やはりそうなんですね。」  「え?やはりって?」  「姫様は恐らくご自覚はないでしょうけど、それは恋の症状ですわ!」  「恋?!」  「そうです。アルバード様に恋をなさったことで、姫様は焼もちを焼いていらっしゃるのですよ!」  「恋?私が?」  「そうです。初恋なんじゃありませんか?姫様。」  「恋・・・私が・・・アルバードに」  ・・・そっか、私こんな短期間の間なのに、  「好きになっちゃったんだ。アルバードに」   私がソレを自覚したとたん、いきなり身体が熱くなったかと思うと光りだした。  「姫様ー!!」  「ああ!!」  この感じは・・・まさか・・・・今度は前の時とは違って意識は保てていた。  ・・・・それに自分になにが起きているのかも、はっきりとわかっていた。  「姫様、お姿が!!」  「うそ・・・元に戻れた?」    そう、私は元の姿に戻れていた。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

124人が本棚に入れています
本棚に追加