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ユイが何かを言っている。 「トモヤ…ゴニョゴニョ…」 聞こえない。 シズの笑い声にかき消されて…。 「ユイ…さん? 何て?」 聞こえるように耳をユイに近づけると、 「トモヤ、 愛してる。」 おれはユイに両手を押さえつけられて… キスされた。 濃厚なの。 何? なに? ナニ? どうして? ケラケラ笑ってたシズが急に黙る。 「私の婚約者になんてことする! 無礼者…」 シズはガラケーを出すと… ガラケーが変形していく。 四角いロボットのような … 手足は流線型だ。 大きさもガラケーの大きさじゃなくて、 人間より少し小さいくらいの。 あのガラケーは、ボディーガードロボットだったんだ… 声も出せずに固まってるユイ。 嫌な予感がする。 おれはユイの前に。 かばうように。 「トモヤ、どきなさい。」 「シズ、ダメだって。 こんな理由で、 人を傷つけていいわけがない。 それに、ユイさんにも何か理由がある… と思う… から。」 ピアノはやっちまえ!的にけしかけてくるけど… 「ピアノもやめる!」 言ったら黙った。 素直すぎてこわい。 ガヤガヤと騒がしい集団が店に入ってくる。 先頭は… アヤノだ。 リボルバーの銃を構えながら… あとは、多分対策室の人々。 「トモヤ… よかった。 ガードロボが起動したから、 トモヤに何か大変なことがあったんじゃないかって… よかった…。」 涙ぐんでる。 アヤノは仕事熱心だよね。 感心して… おーい。 姫殿下のことを心配することが先でしょ? 後ろから声。 「あの女… トモヤの元妻だよね? それにあの外人… 婚約者って? どういうこと? わたしを好きだっていったじゃない? ウソだったの?」 振り向くと、 髪を振り乱した… 鬼ユイがいた。 「ユイさん、 何か誤解があるみたいだ。」 「誤解じゃない。 浮気者!」 何が起きたのか… なんだかわからかった。 突き出されたユイの両手には光るもの。 腹から液体が… 押さえる。 これ、 血か… 刺されたのか。 割と痛くないもんだな。 なんだか力がぬてけく。 ソファーに倒れ込んだ。 死ぬのか… アヤノがおれのお腹を押さえてる。 「トモヤ… トモヤ…」 って繰り返して。 「アヤノ、 仕事もいいけど、 自分の人生を楽しまなきゃダメだよ。 おれは楽しかったな… アヤノとの生活。 おれ、死ぬみたいだから… ありがとうって言っとくよ。」 「トモヤ、何言ってるの! 死んじゃダメ! あー、もう、 血が止まらないのよ。 何で… 何で… なんでー!」 ユイは、 対策室の人に取り押さえられてる。 おれを見て、 「ごめんね。」って一言だけ。 そして、 ユイはすごい笑顔で、 「これでトモヤは永遠にわたしのもの。」 シズは冷静で、ピアノに、 「メゾピアノ、 トモヤを連れて旗艦の医務室へジャンプして。 できるでしょ?」 「殿下… 一緒にジャンプは… トモヤの体に負担が…」 「私の焔の女帝から伝えられたナノマシンはトモヤの中で定着してるはずです。 あなたのチューリップクリスタルナノマシンをトモヤの中に入れれば、ジャンプは可能だと思います。 普通ならもう死んでる。 早く。 時間がない。」 …………………………………………………… 説明お兄さんが説明します。 初代女帝 焔(ホムロ)は先天的に再生能力が高くたくさんの戦場で先陣をきって戦った。 不死身の焔。 刺し傷、切り傷… 爆発による体の欠損すら再生した… ウソみたいなホントの話。 代々、女帝の血筋は、再生能力が高い。 それはホムロナノマシンが受け継がれてるから。 唾液に多く含まれ、 トモヤにシズが時計のお礼にしたキスで、 ナノマシンはトモヤの体の中に入った。 メゾピアノのチューリップクリスタルナノマシンは、 ジャンパーのジャンプする素になっているナノマシン。 古代の遺跡から漏れ出したナノマシンが体に定着した人だけがジャンパーになれる。 ピアノのナノマシンは特A級。 かなり濃度が高い。 口から口に… つまり、キスをしなさいって… どうする? メゾピアノ! …………………………………………………… 「シズはもうキスしたんだ… (仕事早いな) 嫉妬するけど! でも、 合法的にキスできる! トモヤ、行くよ、 私と一緒に。 絶対に死なせないよ。 まだ、私に何か書いてもらってない!」 メゾピアノは熱烈なキスをして…
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