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シズさんと結婚しろ? シズさんはただの隣人だ。 どうしてそうなる? シズ殿下って… 貴族かなんかなのか? 「驚かせてすまない。 いきなり本題はまずかったか… 来訪者はずっと前から地球を訪れていると言ったが、 エンターテイメントをお土産代わりに持ち帰る来訪者もたくさんいる。 たまたま… 姫殿下の専属教師が、 たまたま、 トモヤ君の小説を読んでファンになった。 それでたまたま、 帝国へ持ち帰り… たまたま姫殿下が読んでしまった。 著者近影の写真があるだろ? それを見て、 姫殿下は君をたまたま好きになってしまったんだ。 (たまたま多すぎる。) 最初はただの小説のファンだったらしいが、 想いはつのるばかり、 専属教師に相談したそうだ。 それは、恋と言うものです… と… 帝国の女性は生涯、一度しか恋をしない。 その恋を生涯のものとする。 意味がわかるかな? 運悪く、 たまたまトモヤ君に、 たまたま恋をしてしまったんだ。」 また、たまたまを多用する。 きっとすごい偶然が重なって、 なんちゃら帝国があったとしたら、 地球にも、とても迷惑なことになってるんだっていうことになるのかな。 ナベケンの言葉のニュアンスが大迷惑だと言ってるもんな。 でもだ、 「相手の気持ちも考えない恋なんて… その恋を生涯一つの思いにするなんて… バカげてる。」 「それは文化の違いだ。 違いは尊重しないといけないものだろ? それに、姫殿下は器量もとても良く‥‥‥ 性格もいい… …はずだ。←小声。 君にゾッコンラブ! 古いか… まぁ、 あれだ。 君がなんとか我慢… 我慢じゃないか…妥協すれば全て丸くおさまる。 な? わかるよな? 拒否権はない。 これは法律で決まったことだ。 以上。」 以上って言われても…。 「これから、おれはどうすればいい?」 「簡単だ。 アパートに戻って、 普通に暮せばいい。 隣人だが、婚約者として節度ある行動を頼むぞ。 姫殿下には君が全てを知ったことを伝える。 ちなみに逃亡は絶対にできないぞ。 エージェントがいつも君を監視している。 世界の全ての監視衛星も君をいつも見つめてる。 位置情報も全てのエージェントに筒抜け。 盗聴はしてないはすだから、安心していい。 多分、 と、 いうわけで、 さぁ、恋の第二ステージの始まりだ。」 顔がニヤけてるナベケン。 「簡単に言うと、 やっちゃえ!トモヤ! って言うことだ。 な?」 って、ナベケンは気持ち悪いウインクをした。 おれを拘束する必要があったのか? 多分、ナベケンはおれにだいぶ困らせられたんだと確信した。 だから、 わざとあんなシチュエーションを作ったんだ。 ニヤニヤしてたもんな。 とても簡単に拘束を解かれたおれは、 どこにも逃げられないし、 仕方ないからアパートへ帰ることにする。
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