1人が本棚に入れています
本棚に追加
5
シズさんと結婚しろ?
シズさんはただの隣人だ。
どうしてそうなる?
シズ殿下って…
貴族かなんかなのか?
「驚かせてすまない。
いきなり本題はまずかったか…
来訪者はずっと前から地球を訪れていると言ったが、
エンターテイメントをお土産代わりに持ち帰る来訪者もたくさんいる。
たまたま…
姫殿下の専属教師が、
たまたま、
トモヤ君の小説を読んでファンになった。
それでたまたま、
帝国へ持ち帰り…
たまたま姫殿下が読んでしまった。
著者近影の写真があるだろ?
それを見て、
姫殿下は君をたまたま好きになってしまったんだ。
(たまたま多すぎる。)
最初はただの小説のファンだったらしいが、
想いはつのるばかり、
専属教師に相談したそうだ。
それは、恋と言うものです…
と…
帝国の女性は生涯、一度しか恋をしない。
その恋を生涯のものとする。
意味がわかるかな?
運悪く、
たまたまトモヤ君に、
たまたま恋をしてしまったんだ。」
また、たまたまを多用する。
きっとすごい偶然が重なって、
なんちゃら帝国があったとしたら、
地球にも、とても迷惑なことになってるんだっていうことになるのかな。
ナベケンの言葉のニュアンスが大迷惑だと言ってるもんな。
でもだ、
「相手の気持ちも考えない恋なんて…
その恋を生涯一つの思いにするなんて…
バカげてる。」
「それは文化の違いだ。
違いは尊重しないといけないものだろ?
それに、姫殿下は器量もとても良く‥‥‥
性格もいい…
…はずだ。←小声。
君にゾッコンラブ!
古いか…
まぁ、
あれだ。
君がなんとか我慢…
我慢じゃないか…妥協すれば全て丸くおさまる。
な?
わかるよな?
拒否権はない。
これは法律で決まったことだ。
以上。」
以上って言われても…。
「これから、おれはどうすればいい?」
「簡単だ。
アパートに戻って、
普通に暮せばいい。
隣人だが、婚約者として節度ある行動を頼むぞ。
姫殿下には君が全てを知ったことを伝える。
ちなみに逃亡は絶対にできないぞ。
エージェントがいつも君を監視している。
世界の全ての監視衛星も君をいつも見つめてる。
位置情報も全てのエージェントに筒抜け。
盗聴はしてないはすだから、安心していい。
多分、
と、
いうわけで、
さぁ、恋の第二ステージの始まりだ。」
顔がニヤけてるナベケン。
「簡単に言うと、
やっちゃえ!トモヤ!
って言うことだ。
な?」
って、ナベケンは気持ち悪いウインクをした。
おれを拘束する必要があったのか?
多分、ナベケンはおれにだいぶ困らせられたんだと確信した。
だから、
わざとあんなシチュエーションを作ったんだ。
ニヤニヤしてたもんな。
とても簡単に拘束を解かれたおれは、
どこにも逃げられないし、
仕方ないからアパートへ帰ることにする。
最初のコメントを投稿しよう!