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「そんな前から?知らなかったなぁ…。クレアはその中に入ってたりしてるのか?」
「入ってないわ。ユリウスさんと結婚を前提にお付き合いしてるのだから、入る必要もないでしょう?」
そして、もちろん
派閥の中にはユリウスさんをの狙う娘も何人か居る。
私は面倒な事を避けて、メイドたちにもこの事を話してはないし付き合ってることも言ってない。
タバサさんには話してあるけど、彼女は口が硬いし私たちの仲を応援してくれている。
ユリウスさんは私が派閥の中に混じってないことを知ると安心したように嬉しそうに笑う。
「良かった。それを聞いて安心したよ。そうだ、クレアに渡したい物があるんだ」
「あら、なにかしら」
「この前、遠征に行った帰りに街でジュエリー店に寄ったんだ。指輪じゃなくて悪いんだが、君に似合いそうだなって思って」
そう言ってユリウスさんは、私の首に腕を廻して何かを付けた。
「うん、やっぱり似合うな」
「コレッて…」
首にかけられた物を触ると小さなサファイアが煌めいてるネックレスが見えた。
「付き合って半年になるのに、まだ何にも渡せないのは嫌だなと思ってさ。指輪は結婚前に買うつもりだから、ネックレスを選んだんだ」
私だって貴方に何も渡せてないのに、こんな素敵なプレゼントをくれるなんて。
ユリウスさんたらっ…!
「綺麗なネックレス、ありがとう!とっても嬉しいわ。でも、私は貴方に何も渡せてないのに…申し訳ないわ」
「そんな事ないよ。僕はクレアから貰ってるよ。ちゃんと…ね?」
そう言ってユリウスさんは私の顎を掬って唇を重ねた。
触れるだけのキスは直ぐに離れると、ユリウスさんは目を細めて微笑んだ。
「こうやって愛を貰ってる。それに僕との過ごせる時間をちゃんとくれてる」
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