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「驚かれるのも無理はないでしょう。周囲にバレない様に交際を重ねていたんですから」
「教えてくれたら良かったのに…」
リリーナ様は寂しそうな顔をしてそう呟いていた。
何だか、悪いことをしたみたいで胸がチクリと痛む。
「そうだな。教えてくれたら、良かったのにな。…それで、二人が付き合っていたのは理解したが、他にもなにかあるんだろう?」
カイム陛下は私たちが言いたいことに察しているみたいだった。
「お二人に私たちの結婚を認めてほしいのです」
「リリーナ様、カイム陛下。どうか、許して貰えないでしょうか?」
ユリウスさんの言葉に続く様に私は頭を下げてお願いした。
「クレア……」
リリーナ様の私を呼ぶ声は優しさと寂しさが入り混じったものだった。
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