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無事に結婚を認めてもらって私たちはホッと胸を撫で下ろした様な気持ちで安心した。
結婚をしたら、私はリリーナ様の専属侍女から外される事になる。
でも、リリーナ様にはタバサさんも居るしきっと良いメイドがまたお付きになるはず。
だから、大丈夫。
ずっと一緒に居た分、寂しい気持ちも残りはするものの…。
永遠の別れじゃないのだから、会える日もあるのだから。
「クレア」
名前を呼ばれて、ユリウスさんを見ると優しい眼差しを向けていた。
「ユリウスさん。どうしたの?」
「いや、ずっとお付きになっていたリリーナ様と離れることになるから、きっと寂しいだろうなって。リリーナ様もそう言っていたし」
あら、心配してくれてたのね。私の心の中まで見えてるのかしら。
「確かに寂しい気持ちもあるけど。大丈夫よ、ありがとう。これからユリウスさんとの生活も始まるし、楽しみでもあるんだから」
「大丈夫なら良かった。…そうだな、これから僕たちは新婚になるんだな」
新しい生活を迎えようとすると思うと、寂しさは少しずつ消えていくのかも知れない。
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