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気づいたら何も見えない暗闇の中にいた。どこだ?ここは。ここに来るまでの経緯がまったく解らない。とりあえず歩みを進めてみる。
しばらく歩き回ったが壁のようなものは見つからなかった。
そういえば小さい頃、死んだ後には何も見えない真っ暗な世界に行く、って聞いた覚えがある。
死んだのか?俺は。そうだと仮定すると、これからどのくらいの時間をここで過ごすのだろうか?とりあえず実際に確かめるしか方法はない。俺は座り込んで時間が経つのを待つことにした。
どのくらいが立ったのだろうか。なんだか、お腹が空いてきた。それに喉も渇いてきた。おかしい。死んだのなら、そんなこと感じないはずだ。他にも試してみよう。
頬をつねってみた。痛い。
息をしばらく止めてみた。苦しい。
全力で走ってみた。疲れた。
どれもこれも、死んだのなら感じないはずのことばかりだ。
となると、俺は生きているのだ。でも、何故このような所に....
その様子を装飾が施された水晶を通して見てる者がいた。神々しい格好をしたその者は呟いた
「この人間は気づいておらぬのじゃろう。その空間が今の貴様ら....死んでいるような社会を死んだような顔をして生きてる貴様ら人間を表しているのだということを....」
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