はつ恋は 月くれなゐに染め上げて フラグラードの夜こそ煌めけれ

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「私たちは遠くからおいで下さった新しい友人を歓迎致します。ようこそ、フラグラード王国へ」
「温かいお言葉、ありがとうございます。互いの祖国の交流の礎になれればと思います」
　ビュフェールと握手を交わしたミコトは教師に礼を述べると、机の間を颯爽とまっすぐに歩いて来て、私の隣で足を止めて微笑んだ。
　私は慌てて立ち上がる。庶民が彼を座ったまま迎えて良いはずがない。
「慣れない外国暮らし故、ご迷惑をおかけすることもあるかと思います。よろしくお願いいたします」
　美しく一礼した彼は、顔を上げるとこう付け加えた。
「美しきマドモワゼル」
　ドキン、と胸が大きく跳ねる。