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 殺そうと思えば、殺せた。  だけど、できなかった。  またあの不可解なエラーのせいだ。彼のペースに乗せられると、すぐにうまくいかなくなる。  このまま任務を放棄して、優雨を連れてどこかへ行けたら、どれほど良いか。  実行不可能なことを考えては、現実的ではないと否定する。そんなことを続けていた。  初めは暗殺しか選択肢がなかったはずなのに、気づけば選択肢が増えていた。  任務か、優雨か。  私は、選ばなくてはいけなくなっていた。  残りの時間は、あと、三日。
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