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「おお! キングサイズ! それなら三人で寝られるな。流架君、いいのかい?」
どこまでも空気が読めない父だ。この父にしてこの子ありと言われても何も言い返せない。
流架は柔らかな笑顔でもちろんですと言ってくれた。
両親を流架の部屋に連れていき、私は流架がいる私の部屋に足を運んだ。ドアをノックすると優しい返事が聞こえてきた。
「流架さん、今日は色々とすみません。父も母も流架さんに会えて嬉しかったんだと思います」
「そうですか。良かったです。椿さんは今日、楽しかったですか?」
「はい。とても楽しかったです」
「それであれば僕はとても嬉しいです」
「あの、結婚の話……」
「ああ、いきなりすみません。実はぎりぎりまで両親の説得に苦労していまして、昨日ようやく承諾を貰えたのですが、椿さんに言うタイミングを逸してしまい、あんな風になってしまいました。申し訳ありません」
「いえ。私こそ、ありがとうございます。本来なら私もご両親を説得するために何かしなければならないはずなのに」
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