同窓会、どうしようかい?

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 真樹も同窓会に出られることになったと分かれば、彼は跳びはねて喜ぶだろう。  当日までのサプライズにしようかとも一瞬考えたけれど、(ニブ)いアイツのことだから、毎日「どうなってんだ」と返事の催促が来そうだ。それはそれでウザい。 「……ま、いっか。晩ゴハンは昨日のカレーがあるから、今日は買い物しなくていいし。まっすぐ帰って、それから電話しよっと」  家に着く頃には、四時半ごろになっているはずだけれど、電話して差し支えないのだろうか? 確か彼は、自動車修理工場に就職したと聞いていたけれど。もし仕事中だったら迷惑かもしれない。 「――あれ?」  でも、昨日彼から電話があったのは、確か午後一時半過ぎだった。  もしかして、彼は仕事を変えたのか。それとも、昨日はたまたま休みだっただけか。五年間一度も会っていないのだから、その間に転職していたとしても、何の不思議もないのだ。 「だからって、あたしから『アンタ、今どんな生活してんの?』って訊くのも何だかなぁだし」  たとえ彼がどんな職に()いていても、今元気なんだから。自分からはあえて訊かないでおこうと真樹は思い、マンションへ向かって歩を進めた。 **** 「――佐伯さん、ただいま!」  真樹がいつもどおりに管理人室に声をかけると、佐伯さんもいつもどおりに笑顔で挨拶を返してくれただけでなく、わざわざ管理人室から出てきてくれた。  手には何やら、スーパーのレジ袋を持っている。 「おかえり、麻木さん。仕事お疲れさま。昨日はカレーありがとうね。美味しかったよ」  真樹は佐伯さんが差し出したレジ袋を受け取った。  袋の中に入っているのは、昨日カレーをお裾分けした時のタッパーと、お徳用のマドレーヌ十個入りだった。カレーを分けてもらったお礼のしるしのようだ。
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