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「だから、また次の機会に。ね?」
「うん、いいよ。ちょっと残念だけどさ、あたしも真樹の恋が実ってくれる方が嬉しいもん。だから、告白ガンバ!」
「美雪……! うん、あたしガンバるっ!」
片想いを始めて七年間、ずっと恋の行方を見守ってくれている親友の励ましに、真樹は何としても応えたいと思った。
****
五組の最後まで近況報告が一巡したところで、みんながお待ちかねの昼食タイムとなった。
「あー、お腹すいたぁ! やっとお昼ゴハンだねー」
「ホントだよー。だいたいさぁ、集合時間が十二時になってるならさ、最初にゴハンでもよかったじゃんねぇ」
真樹が空腹を訴えると、美雪は口を尖らせて、この同窓会の段取りに物申した。
「まあまあ、そんなに怒んないの。お寿司屋さんの都合もあってそうなったのかもしんないでしょ? お店のピークになる時間帯を避けたとかさ、配達の準備に時間がかかって……とか」
「もしくは、ウーバーイーツの都合とか?」
「あのねぇ……。どこの世界に、こんだけの大量注文を引き受けるウーバー配達員がいんのよ? こういう場合は普通、車で配達するでしょ」
そんな会話をしていると、体育館の外から車が停まる音と話し声が聞こえてきて、田渕くんと先生達で手分けして、大量の寿司桶が運ばれてきた。
よく見れば、デザートでも入っているのかドライアイスの煙が出ている白い箱を持った先生もいる。
『みなさん、お待たせしました! これから昼食の時間となります! お寿司は全部サビ抜きなので、ワサビが欲しい人は配る時に声かけて下さい。デザートにケーキもありますからねー。欲しい人は、前まで出てきて好きなの取ってって下さーい!』
マイクに向かって田渕くんがそう言うと、あとは各自、自由に移動した。
真樹は美雪や他の友達と六人グループで集まり、岡原もまたいつものメンバーと一緒に固まる。
「まあ、やっぱこうなるよね」
真樹は当然の結果、とばかりに呟く。
「なるだろうねぇ。――それよか、お寿司がサビ抜きでよかったよね。真樹、ワサビ苦手でしょ?」
「うん。美雪はワサビ大丈夫だっけ?」
「あたしはどっちでもいけるけど、今日はサビ抜きにしよっかなー。ネタのシェアとかもしたいし」
お互いに苦手なネタも違うので、交換したりもするだろう。ちなみに真樹はタコが、美雪は光り物が苦手である。
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