第5話

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第5話

レン達は、ある大陸に到着した。 「ちょうどこの大陸に、特異物があるという情報がありました。」 「我々も手伝いますよ。」 レンが元気よく返事をした。 「ありがとう。」 一行が駅を降りたその時だった。 「テツさんじゃないか!」 「勇者様、どこにおられたんですか?」 「テツさんだ!」 「有名人ですね。」 分解魔法の使い手が不思議そうに尋ねた。 「ここは私の故郷でね。」 「突然行方不明になったから心配しておりました。」 「いやあ…泳いで隣の国まで旅していたんだ。」 「なんて無茶な…」 「泳ぐなんてすごいですね。」 「ふふ、確かに凄いが、このアジリンドスにも、武勇伝があってな。」 分解魔法の使い手が、話を変えた。 「ここからは、このレーダーで特異物を発見します。」 「あの密林の中のようです。ちょうどこの方角です。」 「ちょうどいい。泳いでるときにこんなものを拾ってね。」 「短剣ウォーターソード!?」 「ついてますね。これは魔王にも効きますよ。」 「これを一振りすれば…」 ずば。 密林に小さな道が開かれた。 その奥に、小さな建物が出てきた。 「どうやらあの中のようだね。」 「このアジリンドスもそうだと思っていたぞ。」 一行は、建物の奥へ入った。 その建物は、みるからに古い。 人の出入りした痕跡はほぼ残っていなかった。 窓のガラスが割れていて、床がひび割れていた。 蜘蛛の巣をくぐりながらテツさんが問いかけた。 「特異物とは何なんです?」 分解魔法の使い手が答えた。 「特殊なバリアを貼るための機械です。そのバリアは魔道士の感知が効かなくなってしまうため、それを封じる為に我々が派遣されました。」 奥へ進むと、それらしきものを発見した。 「多分あれだね。」 その時だった。 爆発物のセンサーがなり始めた。 「テツさんシールド!」 「レンたち!早くこの中へ!」 テツさんが叫んだ。 「間に合わない!」 レンが叫んだ。 ヒュン。 「消えた?」 二人は、レン達が誰かに助けられるところを目撃した。 「テツさん、どうやら、彼らは助かったようだね。」 「そのようだね。」 分解魔法の使い手が装置を破壊しようとしたときに、あることに気づいた。 「テツさん…この装置は、フェイクだ。」 一方その頃、レンとコマとアジリンドスは、時空間魔法の使い手に助けられていた。 「あなたは、時空間魔法の…」 「ここは近くにあった飛行船の中だよ。周りは森だからね。ここに飛んだってわけさ。」 「あそこに変な人が居るんだけど…」 「あれは、魔王軍の幹部だ。運が悪かったな。」 「ま、魔王軍の幹部だと?ガクブルガクブル。」 「おや、選ばれし転生者と時空間魔法の使い手と…少年少女…?。なるほど。」 「歩が悪そうだから、さるとしましょう。」 「待て!」 幹部は、飛行船から後ろ向きに倒れた。 下を覗くと、パラシュートが開かれていた。 幹部は、海の方へ消えていった。
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