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序章 彼方より
…………、、。
どうか、どうか、あの子を温めて下さい
どうか、どうか、あの子に寄り添ってあげて下さい
あの子は一度、……を離されてしまった。
大事に大事にしていたのに。
愛しんで慈しんで、共に……と約束したのに。
私はあの子にあまり干渉出来ないのです。
私があの子を……のに。
だから、貴方が望みなのです。
どうか、あの子を……って下さい。
あの子を頼って下さい。
きっとそれが…になるから。
どうかあの子の力になってあげて下さい。
嗚呼………、
それは青い蒼い祝福
玉の様に輝き、火の如く燃え盛る様に
風の様に軽やかに駆け、水の如く澄み切る様に
望まれて、願われた果てに行き着いた、行き着いてしまった
あの子の望まぬ場所
それは明るい御伽噺の光に埋もれた影。
目を逸らされた真実。
さあ、お行き。
……が貴方の…と成ることを祈って…よ。
其方の行く道に幸多きことを。
願わくば、どうか、あの子を………、
****
そうして未来を願う。こんなことを私がするのは滑稽だと、意味がないとわかってる。でも、どうしてもそうせずにはいられない。この身がもっと自由であったらと思わずにはいられない。
そっと細めた眼の先、運命はそっと彼らを訪った。
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