1/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

 私生活を、Kちゃんによって許可なく「むき出し」にさせられたような気分になり、吐き気がこみあげて会社のトイレで嘔吐し、早退した。    そんな私の状態も、気持ちを知る様子もなく、Kちゃんは「パワハラで傷ついた、もう行きたくない」と退職届を郵送し、一度も出社せず、片づけもせずに辞めていった。  周囲は「人騒がせだったよね、もう関わりたくないや」と語り草にしていた。机は私と、上司が片づけた。大変だったねとねぎらってくれたので、悪い人じゃないようだなと思った。  頼み込まれて、付き合いで入っていたSNSもだんだん馬鹿らしくなって、私はKちゃんに言わず、こっそり退会してから何日か経過した、ある日。  Kちゃんから、何通もメールが届いて、スマホの電源を切った。  どうして退会したの。  どうして私を助けてくれないの。  私が「いいね」をもらえたら、嬉しいでしょ。  人気者になれるかもしれないんだよ、テレビとか。  芸能人にあえるかもしれないじゃん、アイドルとか。    幼稚で短絡的な内容に、目の前がくらくらした。  別に、なりたくもないし、「いいね」が欲しいとも思わない。だってKちゃん、あなたの画像はほとんど「偽物」でしかない。私や他の人の生活から切り取って、自分のモノだって嘘をついた投稿だから。そんなもので優越感を持っても、むなしいだけ。興味ない。  むしろKちゃん、あなたが嫌い。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!