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 電源を切ったスマホを拾い上げ、吐き気と息苦しさをこらえつつ、Kちゃんのメアドを「迷惑メール」に設定した。    それだけの行為なのになぜかほっとして、私は、いつもの生活を繰り返すことに専念した。  数日して、Kちゃんのアカウントが閉鎖されていたと聞いた。  そのいきさつを共通の友人、Sの話から察するに私は改めて「Kちゃんらしいな」と感じ、勝手にしろと呆れた。  どうやら、店舗内でアクセサリーや雑貨、スイーツなどを購入せずに撮影だけしているのを店員に注意されて、その一部始終に関して、アカウントで愚痴をこぼしたらしい。  私が宣伝してあげているのに、売っている立場なのに、どうして注意するのかわからない。だいたいかわいくないし、ださいし、怒られるし最悪という単純な、いわば「逆ギレ」みたいな内容で。  フォロワーが多い自分に対して、賛同してくれる相手がいると思っていたようだが、Kちゃんの予想は外れた。
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