からっぽの「いいね」

２

　売り物を好き勝手に撮影し、そのうえ購入せずに掲載するとはいかがなものかというコメントが多数寄せられ、今までの画像もすべて「自分の所有するものではなく、第三者の所有物を私物と嘘をついて掲載した」ことがばれてしまったため、結果、炎上を余儀なくされる状態を味わった。

　いままでの楽しく、トレンドをつかんだアカウントというイメージが壊れてしまい、反対に「嘘をついて、人気ほしさに好き勝手して、迷惑をかけている人物だ」ということで、ネットの掲示板だとかにも名前が載り、本人はある意味「有名人」になったようだ。

「まあ、しょうがないよね。あの子、楽して有名になりたいって、言ってたから。仕事なんてつまんない、遊んでいたいし、こつこつやるのってださいとか、私やあなたのこと、よく馬鹿にしていたんだもの。それなのにさあ、よく『助けて』なんて言えるよね」

　Sの弁を聞き、そういえば、Kちゃんからスマホに「たすけて、うそつきっていわれた。わたしもうだめだ、もうおしまい」という件名だけのメールが入っていたことを思い出した。迷惑メールフォルダの中だけど。

　確認のため、SにKちゃんのアカウントが炎上した日付を訊くと、ちょうどメールが送られてきたときと同じ時期だったらしい。