55人が本棚に入れています
本棚に追加
気がつけば、私は真っ暗な世界に居た。
浮いている様に感じるのは、右も左も上も下も真っ暗だからかも。
なのに、不安はない。
聴こえてくる音は、鳥の囀り。
聴こえてくる音は、川のせせらぎ。
聴こえてくる音は、穏やかな風の音。
暗闇の中で、そっと瞼を閉じれば、頭の中で想像する世界が色づいている。
生きていた世界が嫌になった。
生きている事に意味を感じなくなった。
そう思う私は、自ら命を絶った訳じゃない。
最後に見た光景は、大型トラック。
宙に浮いた私は、地面に落ちた。
激痛に耐えられず意識を手放したのを微かに覚えている。
最初のコメントを投稿しよう!