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ここか。双子が言っていたお茶会会場は。あっ。あそこに三月ウサギと帽子屋さんが。幾つものティーカップが置かれているものの参加者はたったの2人だけ。(いや、1人はうさぎなので1人と1匹かな?)ストーリー的にこんな感じだとは知っていたけれど私にとっては不都合だ。なるべく頭のイカれた人達とは喋りたくないもの。見つかってはいけない。2人は1番端の席に座ってお喋りをしている。チョコは各ティーカップと一緒に置かれているから彼らの反対方向から取っていこうかしら。なるべく音をたてないように。そーっと。そーっと。 「どうも。貴方はこのお茶会に参加したいのですか?」 「え。」 どういうことだ。あんなに遠くにいた帽子屋が今確かに私の背後にいる。私はゆっくりと後ろを振り向く。彼はほっそりとした目で私を見つめる。 「えっ、あっ、あの…」 「この子誰?もしかして僕たちのお茶会に無断で参加しようと思った訳っすか?」 いつの間にか三日月うさぎもいる。もう逃げることはできない。絶対絶命だーー!! 「はぁ…知っていますよ。貴方がここに来た理由。」 「あの双子にこのチョコの事を教えてもらったんっすよね?そんなに怖がらなくても大丈夫っすよ?」 「いいんですか?」 「はい。なんなら貴方のような人達にあげるためにを生産しているのですよ。」 「……?」 私のような…?帽子屋が言ったことは理解し難いが、どうでもいいことだ。とりあえず持てるだけのチョコは持った。さっさと帰る方法を探そう。あっ。そういえば… 「すいません。」 「はい。なんでしょう。」 「さっきあなた達は向こう側の席に座っていたように見えたのですが、どうしてこんなにも早く私の背後に来たのですか?こんな短時間で来れるような距離では…」 「どういうことです?」 「え?」 「私たちは今日、貴方の言う向こう側の席に座ってなんていませんよ。」 「そうっすよ?双子にあなたのことを聞いた直後にお茶会に無断で入ろうとする人が見えたから近づいただけなんっすけど…」 「でも確かに…」 「幻覚では?」 「はぁ。」 「疲れているようですし早くそのチョコを食べてください。疲れがとれるのでしょう?」 幻覚…さっきも幻聴が聞こえてたし…だいぶ疲れているみたい… 「ご気遣いありがとうございます。では。」 「はい。お気をつけて。」 「彼女はもう行きましたか?」 「そうみたいっす。彼女、もうそろそろじゃないっすか?」 「そうですね。もう抜け出せませんよ…?」
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