57人が本棚に入れています
本棚に追加
「サイコーだぜ、おい。大人しくしてりゃあ良かったんだよ。バーカ」
男は笑いながら紗良のもとへやって来た。
「なかなかの美人じゃねーか。ちょいと可愛がってやるかな」
男は鼻歌交じりで、タンクトップを脱ぎはじめた。腹部の布が、男の顔を覆った。その時だった。
紗良は警棒を握りしめ、男の脛に打撃を喰らわせた。
「ぎゃぁぁぁぁああああ」
男はバタバタと身をよじらせている。
「ふん、騙されたお前のほうこそバカだ」
紗良は矢に刺さった振りをしていたのだ。矢は脇を抜けていた。
首すじに警棒を与えて、男を気絶させた。ふう、と安堵の息をつくと、紗良は座り込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!