名もない希望のペンダント

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「ねえ、キミ。大丈夫だったかい?」  紗良は少年に声をかけた。 「アウウ……ううん……」  少年はうなずいた。言葉が上手く回っていない。というよりも、言語を知らない様子だった。おそらくまともな教育を受けていないのだろう。 「どうしてこんなところにいるの?」  紗良は尋ねた。 「さが……シテル。ボク、さがす……さがしてる」 「探す……?」 「ボク、ミツケル」  少年の手にはラピスの雫があった。 「な!?」  紗良は口を開けた。探し求めていたラピスの雫を、この少年は持っている。
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