名もない希望のペンダント

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生きるためには仕方がない。 「ごめんね!」  紗良は顔を歪めながら、少年からラピスの雫を奪った。少年は悶絶するように泣き出した。 「新政府にお願いして、キミのことも富裕層の街で暮らせるようにするから」  紗良は奪取したラピスの雫を袋に入れると、走りだした。  背後から少年が追ってくる気配があったが、振り返ることなく新政府ジャダの組織本部へ向かった。  ごめんね……。紗良は鼻をすすった。
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