名もない希望のペンダント

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重厚な扉が開かれていく。  ここは新政府ジャダの本部だ。ついに内部まで来た。まるで宇宙船のコックピットのような室内だった。銀色に統一された室内には、タキシードを着た人型(ヒトガタ)の生物がいた。男でも女でもない、中性的な生物だった。青い瞳が印象的だ。  ネオという本部の司令官だという。  見た目は人間そのものだが、まばたきも呼吸もしない様は、やはり不気味な空気を放ち、地球外生命体の鼓動を宿している。  マネキンみたいだ、と紗良は思った。 「ラピスの雫を100粒持ってきたのですね」  機械ががった声音を発した。
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