57人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい。これです」
紗良は袋を取り出した。
すると、ネオの後ろから使いの者が現れ、紗良の袋を確認した。軍服姿の男だった。
使いの者も、人型ではあるが人間ではないことが分かる。人類が乗っ取られているのか、それとも彼らの擬態能力なのか、真実は誰も知らない。
「ネオ様、確認いたしました。ラピスの雫がちょうど100個あります」
使いの者はネオにひざまずき、袋を掲げた。
「ご苦労です」
ネオは袋の中に手を入れると、ラピスの雫をじゃらじゃらと転がした。
「紗良といいましたね」
「はい」
紗良は喉が締めつけられるような緊迫感の中、小さく答えた。
「よくぞ100粒の雫を見つけ出しました。褒美として、どんな願いも叶えてあげましょう。望みをいいなさい」
最初のコメントを投稿しよう!