名もない希望のペンダント

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やっと幸せが手に入る。波乱に満ちあふれた人生から、ようやく抜け出せる。紗良の胸に無限のキラメキが打ち上げ花火のように広がった。 「では、明日にでも使いの者を紗良のもとへ送らせましょう」 「ありがとうございます。よろしくお願いします」  紗良は銀色の床を見つめるように、深く頭を下げた。目を閉じて、ハッピーエンドを思い描いた。だが次の瞬間だった。 「なーんてね」  ネオの冷ややかな声が耳朶(じだ)に張りついた。
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