名もない希望のペンダント

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「はい?」思わず顔を上げた。 「ぜーんぶ、嘘。ククククク」  ネオは肩を揺らした。 「どういうことでしょうか?」  嫌な予感が紗良の背中に流れていく。 「だから、嘘ってことよ。願いを叶えるわけないってこと」 「はっ……そんな……」 「そのマヌケ面、最高ですね。希望から絶望に転落するときのその顔……ククククク」 「え……」 「貧乏人の願いなんて叶えるわけないでしょう」 「騙したのね!」 「そうよ。でも、その嘘があったから、ここまで生き抜いてこられたんでしょ。あんたら人類は」 「ど、どういうことよ」
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