名もない希望のペンダント

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「あのね、人類は嘘だろうと何だろうと、希望がないと生きてられないの。ラピスの雫を100粒集めれば願いが叶う――そのことを希望に、今の人類は生きてるの。その希望がなかったら、ほとんどの人間は死んじゃってる」 「……」 「むしろ感謝してほしいわ。わざわざ人類のために希望をプレゼントしてあげてるんだから。クーッククク」  ネオは能面のまま笑い声をあげた。 「そんなの嘘よ……絶対ウソ……」  紗良は激しく首を振った。 「残念だったわね」  ネオがもう一度笑うと、使いの者や、まわりにいた新政府の者たちも不気味に笑いだした。 「こんなこと許されるわけがない! 告発するわ! すべて国民にバラしてやる」  紗良は胸を上下させながら叫んだ。 「どうぞご自由に。できるものならね」  ネオが指を鳴らすと、使いの者が紗良に馬乗りになった。
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