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額の汗をぬぐうと、紗良は男の服をまさぐった。金銭より大事なものを物色する。
それはラピスの雫だった。
この世界に降り注いだ鉱物のカケラだ。小石程度の大きさで、呼吸をするようにレモン色に発光している。
別名、「最後の希望」と呼ばれていた。
「やった。今日はツイてるわ」
紗良は男のカバンから、ラピスの雫が入った袋を取り出した。1、2、3……数をかぞえる。
「すごい、73粒もある」
紗良は胸が高鳴った。紗良が持っているラピスの雫は26粒。合わせて99粒。
――あとひとつ集めれば100粒になる。
紗良は震えた。あとひとつ、あとひとつで叶うのだ。
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