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「どうするつもりです一体、私達は自衛隊から追われる立場になりますよ。そこまで責任を取ってくれるのでしょうか。あなたは出入りが自由だからいいかもしれない。私達は拘束されますよ。それにこの医者はどうなっているんですか、壊れた猿の人形ですよ」
則夫の例えに金原仙人は大笑いした。
「巧いこと言いますね。私の特技は転生ですから彼に一秒の連続転生を仕込みました。だからあなたが言ったように猿の」
笑って言葉が遮られた。
「あー可笑しい。でも暫くこのまま放っておきましょう。死ぬことはありませんから大丈夫です」
「その自衛隊さんは死んだの?」
正子がか細い声で訊いた。
「いや彼の脳の回路を一時的に止めてあるだけです。私は人を殺したりしませんよ。安心してください」
金原仙人の笑みに正子は少し安心した。
「この医者が来ないと気付いてここに押しかけますよ。そうしたらどうするんですか?」
「そうですね、私がここから助け出しましょう。それとも奥さんの希望通りカモメに変身しましょうか」
廊下から銃声が聞こえた。金原仙人がドアを開けると複数の人が倒れている。
「ちょっと待っていてください」
金原仙人はドアをすり抜けた。倒れている人の額に手を当て時間を戻した。倒れている人達が次々と立ち上がるので撃った自衛隊は恐くなって逃げた。
「もうここは戦場です。新型ウィルスは人の化けの皮を剥がしたのです。さあ行きましょう」
金原が二人の額に手を当てた。フィリピン人スタッフも一緒に行きたいと願った。
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