64人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
深刻そうな表情で薫ちゃんは顎に指を当てるが、彼女がしてる話はあくまでセックスの話だ。
「騎乗位でしかイケないみたいなんですあの人。でも、上下運動しながら膣締めて乳首触ってツネって…、ってセックス後半の私のタスク多すぎません?」
具体的で生々しい言葉の羅列にめまいがする。
社会人2年目の彼女はセックスにタスクを課しているらしい、と頭が追いつかない。
「日頃の行動や私への態度がスマートなだけに…、ちょっぴり残念というか何というか。」
「どう思います?穂波さん。」
!
お願い、こんなところでボールを私に回さないで。
後輩2人の視線がこちらに向いて、身動きが取れなくなる。
『いやまあ、薫ちゃんが言うのもわかるけど、』
区切ってちらりと空木くんに目をやると、ぱちっと目が合った。
『男の人って、自分がイイときは、それに必死になっちゃうからね…。器用じゃないんだろうね、その人。』
いや、お前誰だよ。
どの口が言ってるんだ、男なんて知らないくせに。
「ですよね~!もっと俯瞰的に物事見てほしいです。仕事は出来るらしいのに。」
しかし私の伏目がちなアンサーを薫ちゃんはすんなりと受け取ったみたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!