第5話『突然の帰郷。美歩、悲しみの再会』

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鳴「私たちの演舞に集中して。私たちパートナーでしょ!」    美歩が、鳴を見つめる。 美歩「パートナーか」    美歩がSEN-3を見つめる。と(前回の菜園菜演舞の)OBI-1の姿と重なる。OBI-1の肩に、かつての坂東(幻)。    やがてOBI-1(幻)が消え、SEN-3に戻る。 美歩「今の私にパートナーはいない。あの頃には戻れない。だったら」    美歩の演舞。SEN-3の背中のストレッチャーが飛び出し、OBI-1の背後に回る。ストレッチャーからベルトが伸び、OBI-1を拘束する。OBI-1は立ったまま身動きが取れない。 美歩「ここで全て終わらせる!」    SEN-3がOBI-1に迫る。SEN-3が左腕のはさみ(カッター)でOBI1をはさむ。同時に、右腕の閉じたはさみ(スプレッダー)をOBI-1の左肩に突き立てる。    OBI-1の肩の接合部に刺さったはさみ(スプレッダー)が火花とともにOBI-1の肩を裂いていく。    OBI-1内、火花が飛び散り、はさみ(スプレッダー)が現れる。坂東がうめく。 美歩「ごめんね、響紀」    OBI-1の左腕が切断される。と同時に爆風。むき出しになったOBI-1のコクピット。爆風に耐える坂東。左隅に貼られた写真が剥がれ飛んでいく。    車道、美歩の演舞が終わる。煙に巻かれたOBI-1を見つめる美歩の後ろ姿。    宙を舞う一枚の写真。ゆっくりと美歩の足元に落ちる。写真を拾う美歩の手。    ハッとする美歩の顔。写真には、病室で笑顔の坂東、美歩、すみれとOBI-1が写っている。 美歩「母さん……」 ○(回想)古備田病院・病室(夕)    ベッドに座るすみれ。踊り子衣装の美歩が立っている。 美歩「行ってくるね」 すみれ「美歩……」    美歩が部屋を出ようとする。 すみれ「待って!」    振り返る美歩。真っ直ぐに見つめるすみれ。 すみれ「これだけは覚えておいて。あなたがどんな選択をしても、本心で決めたことなら、私はあなたの味方だから」    すみれが優しく微笑む。 ○もとの演舞場(夜)
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