第5話『突然の帰郷。美歩、悲しみの再会』

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   煙の中から出てくるOBI-1。OBI-1内、苦しそうに息をする坂東。    写真を手にした美歩が、OBI-1を見上げる。 美歩「響紀。私、母さんに元気になってほしい。だけど同じくらい、響紀には笑顔で踊っていてほしい」    美歩を見つめる坂東、鳴。 美歩「やっぱり私には、どちらも選べない」 坂東「先輩……」 美歩「だからせめて、響紀の精一杯の演舞を私に見せて」    美歩の頬に涙が伝う。 坂東「先輩……。(鳴へ)鳴! 見せるんだ!僕たちの演舞を!」 鳴「(気圧され)う、うん」    音楽とともに鳴の演舞が始まる。    片腕を失いながらもOBI-1がSEN-3と組み合う。 坂東「先輩」    ×  ×  ×    フラッシュ。    坂東と美歩の思い出。地方部倉庫で、一緒に演舞する坂東と美歩。OBI-1内、坂東に操作方法を教える美歩。菜園菜演舞場、演舞に挑む坂東と美歩の後ろ姿。    ×  ×  × 坂東「先輩!」    車道で踊る鳴。(踊りながら)坂東の様子に困惑した表情。 鳴「響紀?」    OBI-1に勢いよく迫るSEN-3。    迫る直前。OBI-1が右腕でSEN-3をつかみ、右足でSEN-3の胴を蹴り上げる。 藤間「あの技は!」 沙羅「昔の演舞の!」    美歩が涙を流しながら、少し微笑む。 美歩「ありがとう。響紀」    OBI-1内、叫ぶ坂東。    OBI-1の巴投げ。SEN-3が宙を舞い背中から倒れる。    SEN-3は動けない。歓声が上がる。    立ち上がるOBI-1。    美歩の手の鳴子石、ひびが入り、OBI-1に吸収される。    去って行く美歩の後ろ姿。OBI-1の肩、坂東が顔を出し、悲しげに見つめる。    車道の鳴が、怪訝な表情で坂東を見つめる。 ○JNGX社・外観(朝)    朝日が高層ビルを照らしている。 ○同・会長室(朝)    椅子に座る椿姫。室外から美歩の声。 美歩の声「失礼します」    キャリーバッグを手に入ってくる美歩の後ろ姿。    椿姫、立ち上がり美歩に歩み寄る。椿姫の手に書状とタブレット。
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