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煙の中から出てくるOBI-1。OBI-1内、苦しそうに息をする坂東。
写真を手にした美歩が、OBI-1を見上げる。
美歩「響紀。私、母さんに元気になってほしい。だけど同じくらい、響紀には笑顔で踊っていてほしい」
美歩を見つめる坂東、鳴。
美歩「やっぱり私には、どちらも選べない」
坂東「先輩……」
美歩「だからせめて、響紀の精一杯の演舞を私に見せて」
美歩の頬に涙が伝う。
坂東「先輩……。(鳴へ)鳴! 見せるんだ!僕たちの演舞を!」
鳴「(気圧され)う、うん」
音楽とともに鳴の演舞が始まる。
片腕を失いながらもOBI-1がSEN-3と組み合う。
坂東「先輩」
× × ×
フラッシュ。
坂東と美歩の思い出。地方部倉庫で、一緒に演舞する坂東と美歩。OBI-1内、坂東に操作方法を教える美歩。菜園菜演舞場、演舞に挑む坂東と美歩の後ろ姿。
× × ×
坂東「先輩!」
車道で踊る鳴。(踊りながら)坂東の様子に困惑した表情。
鳴「響紀?」
OBI-1に勢いよく迫るSEN-3。
迫る直前。OBI-1が右腕でSEN-3をつかみ、右足でSEN-3の胴を蹴り上げる。
藤間「あの技は!」
沙羅「昔の演舞の!」
美歩が涙を流しながら、少し微笑む。
美歩「ありがとう。響紀」
OBI-1内、叫ぶ坂東。
OBI-1の巴投げ。SEN-3が宙を舞い背中から倒れる。
SEN-3は動けない。歓声が上がる。
立ち上がるOBI-1。
美歩の手の鳴子石、ひびが入り、OBI-1に吸収される。
去って行く美歩の後ろ姿。OBI-1の肩、坂東が顔を出し、悲しげに見つめる。
車道の鳴が、怪訝な表情で坂東を見つめる。
○JNGX社・外観(朝)
朝日が高層ビルを照らしている。
○同・会長室(朝)
椅子に座る椿姫。室外から美歩の声。
美歩の声「失礼します」
キャリーバッグを手に入ってくる美歩の後ろ姿。
椿姫、立ち上がり美歩に歩み寄る。椿姫の手に書状とタブレット。
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