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すみれ「あなたが本当に望んでいるとは、私には思えない」
美歩「もう決めたことだから」
坂東の声「美歩先輩!」
坂東が廊下に立っている。息を切らした坂東、手には挑戦状。
美歩「響紀……」
美歩、驚き、言葉を失う。
美歩「ちょっと出てくる。(坂東へ)来て」
去る坂東と美歩。見送るすみれ。
○同・中庭(夕)
夕日が沈みかけ、辺りをオレンジ色に染めている。
歩いてくる坂東と美歩、立ち止まる。
坂東「菜園菜演舞が決まりました」
美歩「そう」
坂東「先輩との演舞では勝てませんでした。でも今度こそ、必ず勝ちます」
美歩「……」
坂東「だから今週末の演舞、見に来てもらえませんか?」
美歩「私、響紀に伝えないといけないことがあるの」
坂東「?」
美歩「実は私が、菜園菜演舞場の……」
言いかけてやめ、首を横に振る美歩。
美歩「なんでもない。菜園菜演舞、響紀になら、きっと勝てるよ」
笑顔になる坂東。
美歩「必ず見るから。一番良い場所で」
坂東「はい!」
夕日が沈んでいく。
○帯屋町高校・教室
お弁当を広げる生徒達。
机を付け、椅子に座る沙羅と鳴。お揃いのお弁当を広げている。
鳴がちらっと坂東の机を見る。坂東の姿は無い。
鳴「響紀は?」
沙羅「地方機の整備があるって」
鳴「そうなの?」
鳴が無言で坂東の机を見つめる。
○同・地方部倉庫
ツナギ姿の坂東。OBI-1の足元に入り、仰向けで整備している。
スパナで締める坂東。そのお腹がグーッと鳴る。
坂東「このくらいガマンだ」
坂東が首を横に振る。
○同・廊下
モップを持つ坂東が沙羅の前に立つ。
坂東「地方機の調整があるから、掃除当番お願い!」
沙羅「もう、仕方ないわね」
坂東「ありがとう」
とモップを渡し、走り去る坂東。
○同・校庭(夕)
夕日が沈みかけている。校庭に生徒の姿は無い。
○同・地方部倉庫(夕)
制服姿の鳴と沙羅が立って、地方機を見上げている。
地方機のコクピットで作業する坂東。
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