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プロローグ
僕は公民館や自宅で料理教室を開く、所謂料理研究家だ。可愛い花嫁修業の女の子たちやまだまだお若いマダムたちに『イケメン料理家』と呼ばれ、ハートマークの視線に支えられながら今日までやってきた。
僕の容姿が全てとは思いたくないけど、料理教室を開始して三年、驚くほどに順風満帆だ。料理本も三冊出して、すべてこの業界ではベストセラーになっている。もちろんウィチューブなんかも順調だ。
だけど、僕が本当にやりたいことをまだ僕はやれていなかった。僕がやりたいこと。それは、男性、しかも社会人限定の料理教室なんだ。
―――☆☆☆―――
身長175cm、甘いマスクの料理研究家 城山祥(しろやましょう)。28歳のイケメン料理家が満を持して始めたのは、社会人男性限定料理教室。
そこには老若合わせて8名の男たちが集う。現職の刑事や弁護士に普通のサラリーマン、定年間近のおっさんやら個性豊かな面々。
会社帰りの彼らは各々好みのエプロンを纏い、調理台へと向かう。
「先生、今日のレシピはなんですか?」
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