私たちは友達です

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「まあ、とりあえず、飲もーぜ。割と久しぶりだよな。」 「だね。とりあえずカンパーイ。」 「で?その会社、バイトなんだろ?」 「今んとこ、週3でねー。状況次第で増やしてもいいかな、とか思ってたんだけど、あっ、社長面談では、入れる日、増やせるなら増やして欲しいって言われてたからねー。」 「でも、なんとも、雰囲気が悪いっちゅーか。たぶん、あの女のせいとは思うけどさ。その人以外は、殆ど誰もしゃべんないのねー。いや、まあ、仕事してんだから、別にいーんだけどさ。」 「会社は、8時半からなんだけど、電話応対が10時からで、朝一、ざっと説明されたと思ったら、その場を取り仕切ってるっぽいその女が、それまで居なくなって。」 「社員に紹介もされないからさ、一応、挨拶して回ったわけ。でもさあ、なんていうか、まともに挨拶もできない人たちでさ、人見知り?挙動不審でヤバいよ、あれは。」 「だいたい挨拶ぐらいねー。いくら人見知りっていってもさ。社長は、いい人っぽい感じだったけど、社員があれじゃあ頭痛いだろーよ。」 「まあまあww。落ち着けって。で、仕事自体はどうなん?」 「内容?は、まあ、なんてことないかな。通販の会社なんだけど、サイト運営をそこのメンバーだけでやってる。プログラマーやエンジニアもいるみたいだし、そこで完結させてるっぽい。サイトは、会社の雰囲気からは想像できないほど、いい感じには出来てるよ。このサイトからこの会社の陰気さは想像できないね。」 「まあ、世の中、外から見たイメージと中は違うって、よくある話だし、webなんて、もっとウソっぱちな世界かもしれないしなー。」 「だね。ただまっ、教育担当の女が、ひどいっていう問題はあるけど、モクモクと自分のペースでできる仕事だから、慣れれば別にどうってことはないよね。」 「お時給ちゃんと頂けるなら文句はいいません!ってとこかな。」 「まあなあ。バイトだからなあ。そんぐらいの感覚でいた方がいいかもな。で、そのひどい教育担当ってのは、どんななの?」 「それがさー、30分くらいかなー、私にやることざーっと言ったと思ったら、その後はどこにいるかわかんなくて、あっ、小さい会社だから、仕事場は、そこしかないんだよ。その部屋に全員いる状態で、どーみても、そこ以外に他の部屋があるとも思えない。でも全然姿見せないんだよ。」 「まあ、始まったら、一応、ある意味プロ?どっから、その声出るの?みたいな声で電話応対してたー。電話対応ひたすらやってるって感じで、コールセンターの人みたいな感じだね。どうやらそれしか仕事はしてないっぽい。電話鳴らなければ、何もしてない感じ。」 「で、電話に出るのは、その人しか居ないっぽいからね。彼女が席にいない時に、他の人が出たんだ。途中で戻ってきて、その電話聞いて、後ですっごい文句言ってた。こっわ!って思ったよ。相手はどう見ても年上なのに、そんな、言い方ないんじゃない?って、感じ。あれじゃ、ますます萎縮しちゃう。」 「その子、どうやら、皆に影で局ちゃん、って呼ばれてるみたいだった。お昼休憩、ちょっと聞き耳立ててたっていうか、聞こえてきたんだけどね。でも、まだ、20代だと思うよ。」 「で、すごい怒られてる有田さんは、たぶん、40代後半?」 「まじかー。だいぶヤバイね。」 「うん。かなーり。」 「でも、なんであの子あんな威張ってんだろ?」 「かわいいの?」 「見た目?まあ、かわいいっちゃかわいいかなあ。」 「ふーん、社長の愛人とか?」 「はー、なる程、あるかもねー。社長は海外行ってることが多いから、あの性格の悪さ気づかないかもだしねー。」 「まっ、どうでもいっかー。ボチボチやっとこ、所詮バイトだし。」
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