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「そういや、この前、じじいから、電話あった。」
「うっそ、久々じゃん。どうしてるって?」
「どうやら、ロンドンから帰って来てるらしいわ。」
「えー、だったら、会いたいね。」
「だろ?」
「ってことで、同窓会みたくしよっかーって思って。お前、連絡取れる?」
「うん、オッケーよ。」
「県外も来れる時にするかどーかだねー。」
「まーなー、でも、それ考えると、結構先になるし。近場で集まれるヤツだけで、いったんやろー。」
「りょーかい。じゃあ、早速連絡入れてみる。で、いつにしよー、今の私はご存知のとーり、暇なんでいつでもオッケー。」
「まあ、主婦さん達はいーとしても、やっぱ男は金曜日とかのがいーよなー。」
「じゃあ、とりあえず、ここから3週間のうちで、人ができるだけ多く集まれそーな日とかにする?あっ、その前にじじいの都合聞かないと。」
「それはそう!LINE入れとこ。」
じじい、こと、遠野道、もちろん同級生。大学時代から見た目がおじいちゃん、は、言い過ぎだが、老け顔ってことで、あだ名はじじい。まあ、15年経っても見た目が変わらないって意味では羨ましくもある。
「あっ、もう返事来た。帰ってきたばっかだから、来月の中頃がいいってさ。」
「じゃ、もう、決めちゃお。17日の金曜日だね。それでこれそーな人が来るってんでいーんじゃない?」
「はいよ!」
「楽しみだなー。じじい、なんだかんだで優秀なヤツだったんだよねー。あの頃はふざけてばっかだったけど。」
「なあ、未華子」
「ん?」
「お前なんで会社辞めたの?」
「なんでって、単に嫌になったから。」
「全く、いつまでもそんなんでどーすんだよ。」
「まーねー。でもさあ、仕事は嫌いじゃないんだよ。どうせ、やるなら楽しくしたい。ってこと。」
「その、結果が、そのとんでもない会社でアルバイトだろ?」
「まあ、しばらくは人間観察楽しむよ。その局ちゃん、も気になるし。あと、そ~だろうなーとは思うけど、アルバイト。全然、続かないらしいよ。チラッと社員くんたちが噂してた。今度こそ続くのか?って。そう言われちゃったらちょっとやったるかー。ってね。」
「んで、彼氏は?」
「誰のこと?」
「誰って前会ったとき話してただろ。」
「そうだっけ。一応別れてはないけど。もうすぐ振られそう。」
「はー。」
「そんな溜息つかないでよ。自分だって彼女今度こそ、大丈夫なわけ?」
「まあ。いつものことだけど、俺は結婚しないよ。って最初から言ってあるし。」
「相変わらず、その、考えは変わらないの?」
「変わんないよ。」
「裕二、頑固だねー。」
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