私たちは友達です

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「カンパーイ」 「じじい、おかえりー。」 一気に学生時代のノリに戻る。じじいのロンドンの話も意外にもすぐに終わって、結局大学時代の悪ふざけをしてた頃の話になる。やっぱり共通の思い出は盛り上がる。 「なんで今日は夫婦で来ないのよー。」 「奥さんも同級生なのに!」 「まあ、子供が、いるからなー。それに、奥さん、割とシャイでな。ゆっても、このメンバーあんまり面識ないやん。」 「昔のこと、聞かせたく無い説もあるね。」 「あっ、バレた?奥さん、君等とは違うお嬢様なんだから、毒牙にやられたくない。」 「そう、言われると、納得だわー。なんか、大人しいし感じの人だったよねー。あんまり知らないけど。」 「古賀っちは?奥さん元気?」 「今二人目妊娠中。」 「あっそー。おめでとー。一個下だったよねー。よく大学時代の古賀っち知ってて、結婚したよねー」 「どういことだよ。」 「酒癖が悪いってこと。」 「酔っ払って、タクシーの運ちゃんと喧嘩したり。」 「そーそー、吐き気するーって終電なのに、電車降りて帰れなくなったり。」 「いきなり路上で叫び出したり。」 「うーん、俺は大人になったのよー。今は適量よ。」 「ほんとにー?」 「子供生まれて変わったか。」 「まあな、帰るのはやっぱり早くなったよね。」 「子供は、やっぱかわいいよー。」 「それは良かった良かった。」 「ほんと、家の旦那なんか、全然だよ。まじでがっかり、何もしてくれないし。」 「そーなの?良く今日出てこれたね。」 「うん、救いは御姑さんが、いい人だってことね。孫かわいがってくれるからさ。それでなんとかねー。」 「で、そこの二人はいつになったら、くっつくわけ?」 と、急にケンちゃんが言い出した。 「裕二と未華子って、絶対お似合いだと思うんどけどー。」 「ここが、くっついてくれたら、俺らも楽だよな。」 「そーだそーだ。」 「私もそー思う!出入り自由で、酒飲める場所が出来るってことでしょ。」 「はは、そういうことね。」 「無いの?二人は?」 「ないない。」 私達は、二人して速攻否定した。 まあ、いっそ裕二を好きになれたら、楽ちんかもって思うことはある。でも、友達は友達、ときめかない。何が、違うんだろうなー。付き合える男と付き合えない男。
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