怪しいサンタさんがプチ腐な私に前代未聞な素敵な乙女用プレゼントくれました

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「あのっ、おば様。鈴穂ちゃんに酷い成績を取らせてしまってごめんなさい。わたしの教え方が悪かったみたいで」 「伸実ちゃんは全然気にせんでええんよ。相変わらずテスト前でもジャ○プやマンガばっかり読んで勉強サボった鈴穂が悪いんやから」  自責の念に駆られていた伸実を、母は爽やか笑顔で慰めてあげる。  伸実はとても心優しい子なのだ。  ママ、私、ジャ○プ本誌は一冊も持ってないんだけど……。  二人の会話が自然に耳に飛び込んで来た鈴穂は、心の中で突っ込みつつ二階の自室に足を踏み入れた。  広さ八帖のフローリング。窓際の学習机の上は教科書やノート、筆記用具、プリント類などが乱雑に散りばめられていて、勉強する環境には相応しくない有様となっている。机棚にあるヒツジさんイルカさんトナカイさんの可愛らしいぬいぐるみ、サンタクロースと雪だるまのお人形。チョコやクッキー、ケーキ、パン、ドーナッツ、シュークリーム、アップルパイ、アイスクリームを模ったスイーツアクセサリー、造花なんかはきれいに飾られてあるのだけれど。
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