怪しいサンタさんがプチ腐な私に前代未聞な素敵な乙女用プレゼントくれました

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「うん、けっこう好きだな。中学時代にこういう系のアニメ嵌ったの。でもそのせいで高校入ってから成績ガタ落ちしちゃったけどね。中学まではテスト前だけの勉強で好成績取れてたんだけど、高校の勉強は甘くなかったよ」  鈴穂は不覚にもこの男に少し好感を抱いてしまった。苦笑いでついつい悩みも打ち明けてしまう。 「ヴォイヴォイ。おいらもすごく共感出来るよん。お嬢ちゃんのお名前、播本鈴穂っていうんだね。クリスマスにぴったりないいお名前だねぇ。ジングルベル、ジングルベル、鈴穂鳴る♪」 「……なんで私の名前分かったの? あっ、鞄に書いてあるんだった」 「おいら、お嬢ちゃんのこと、すこぶる気に入ったよん。学業不振に悩むアニメ好きなお嬢ちゃんのために、これ、無料でプレゼントするよん。今はクリスマスシーズンじゃないんだけどねん、おいらの気分は年中クリスマスだからねぇん、遠慮せずに受け取りたまえ」  男はにやけ顔を浮かべながら、布袋から金色の可愛らしいリボンでラッピングされた、赤色の四角いプレゼント箱を取り出すと鈴穂に強引に手渡してくる。 「重たっ! 中は本が入ってるのかな?」
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