0人が本棚に入れています
本棚に追加
「そっか。頑張ってね、昇子ちゃん。おば様は昇子ちゃんの将来のためを思って、塾へ行かせようとしてるんだと思うから。でも、身の危険を感じたらすぐに辞めなきゃダメだよ。PTSDになっちゃったら後々大変だからね」
「……うん。まだ行かされると正式に決まったわけじゃないけどね」
森優に真剣な眼差しでアドバイスされ、昇子はちょっぴり困惑してしまった。
「そういえば昇子ちゃん、今日までに提出の数学のプリントは、全部出来てる?」
「いやぁ、それが、分からない問題が多くて、三分の一くらい空欄なの」
「じゃあ写させてあげるよ」
「ありがとう。いつもごめんね、いろいろ迷惑掛けて」
「全然気にしなくていいよ昇子ちゃん。それにしても今日は朝からけっこう暑いよね?」
「もうすぐ六月だからね。私も今日は半袖にすればよかったな」
他にもいろいろ取り留めのない会話を弾ませていくうち、学校のすぐ側まで近づいて来た。この二人以外の鴎塚中生達も周りにだんだん増えてくる。
最初のコメントを投稿しよう!