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「しょこら、今日はいつもより元気ないねぇ。テストのことで母さんに怒られたんやろ?」
帆夏はにこにこ顔&陽気な声で問いかけてくる。
「まあ当たりだけど、それプラスもっと憂鬱なことがあるの」
「へぇ、どんな?」
「私、今回のテストで総合得点四〇〇なかったら、駅前の烈學館って塾に行かされるんだ」
「烈學館って、あの酒呑童子も怯えて泣き出すばり厳しいスパルタ指導で昔から超有名な。そりゃご愁傷様」
「帆夏は親から成績のこと何も言われないの? 帆夏も西高第一志望なんでしょ?」
「まあ、入試本番までまだ九ヶ月以上もあるし、なんとかなるんやないかなぁって母さんと父さんも言うとうし」
「親子共々楽観的ね。私なんか、期末も悪かったら雑誌・マンガ類も全部捨てるってママに脅されたのよ」
昇子は沈んだ声で伝える。
「とうとう来ちゃったかぁ、その告知が。五教科計四〇〇超えって、しょこらの母さんの求めるハードルは高いねぇ」
帆夏は少しだけ同情心が芽生えた。
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