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「ふふふ、言い逃れ出来へんようにこれくらい対策済みよ。昇子、これで四教科返って来たわよね。今、合計いくらかなぁ?」
「……三〇七点」
昇子が俯き加減でぼそぼそと打ち明けると、
「はい、塾行き確定っ!」
母は明るい声で嬉しそうに告げた。
「まだ英語が残ってるでしょ。それで九三点以上取ったら、四〇〇超えるでしょ」
「そんなに取れるはずがないでしょ。この前は五二点しかなかったんやし」
「大丈夫だって、今回は解答欄全部埋めたから」
「埋めりゃぁいいってもんでもないでしょ。昇子、次の期末テストも悪かったら、あんたのお部屋にある大量のジャ○プとエッチなマンガ、全部捨てちゃうからね」
「えっ! そんなぁっ。そこまですることはないでしょ」
「だって昇子、あんないかがわしい本をいーっぱい買い集めるようになってから、テストの点が急激に下がり始めたやない」
「それは全然関係ないって」
「大いにありますっ!」
「……習う内容も、だんだん難しくなって来てるんだから、点数下がってくるのは当たり前でしょ。学年平均だって一年の時のテストより低いし、みんな悪くなってるんよ」
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