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「昇子ちゃん、今日はあまり元気がないね。テストのことでおば様にいっぱい叱られたんだね」
森優は後ろを振り返りながら気遣うように話しかけてくる。
「いや、叱られたことより、塾行かされることが百パー確定したから」
「そうなんだ。昇子ちゃん、塾には行きたくないんだね?」
「うん。でも、これはママと約束したことだから、行くしかないよ」
昇子はしょんぼり顔を浮かべ、沈んだ声で答えた。
「それじゃあ、わたしも昇子ちゃんといっしょに通おうっと♪」
「絶対やめた方がいいよ。ママが私に行かせようとしてる塾は、烈學館ってとこだから」
「えっ! そこなの? じゃあわたしは……行かなーい」
森優は途端に顔を蒼白させ、すぐさま前言撤回した。
「昇子ちゃん、大丈夫? その塾って、未だ昭和的な教育方針で先生がものすごーく怖いって噂のとこでしょ? ちゃんとやって行けそう?」
続けて心配そうに質問する。
「入ってみなきゃ分からないなぁ」
昇子はその塾のことを詳しくは知らないため、こう答えるしかなかった。
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