プロローグ

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 茶会を終え、客人を見送る。  部屋へ戻ろうと踵を返したところで、柱の陰に少女が立っているのに気づいた。  異母妹のシミラだ。   「ごきげんよう。どうしたの?」  年齢の割に幼い趣味のドレスを着ているのはいつものことだが、今日の色は特に彼女に似合っているとはいえなかった。異母妹と、いや継母とガレベーラの好みの違いだろうか。   「そんなところで見ているなら、あなたもお茶会に顔を出せばよかったのに。ご婦人方とのお話は学ぶことも多いし、お顔見知りになっておいて損はないわ。次は是非いらっしゃいなさいね?」  うんともすんとも言わず、無表情でいるシミラに、ガレベーラは近づいて、首を傾げた。  微笑みかける。   「そうだわ。明日にでも孤児院に行こうと思っているのだけれど一緒に行かない? 帰りにお買い物に行ってもいいし」 「わたくしは結構です」  ではなぜそこに立って見ていたのか。異母妹の真意はいつもわからない。  ガレベーラはため息をつく。  シミラは七つ年下で、同じ父を持ち、血も繋がっているというのにガレベーラとの仲はあまりよくなかった。  同じ屋敷にいても、食事のときくらいしか顔を合わすことはない。その機会も父が家にいるときだけだ。  幼いころは一緒に遊んだりもしていたのに、シミラが成長するにつれ、次第によそよそしくなっていった。  姉妹なのだから、もっと話をしたり、一緒に出かけたりしたいと思い、誘いはするのだが、歓迎されたことはない。  それというのも継母の影響かもしれなかった。
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