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グウィディウスが、再び西の任務に出たのは東から帰った翌日のことだった。
新たに編成された部隊は、東へ遠征したものとは別だったが、グウィディウスの側近ペスロに代わりはいない。
「疲れも取れないうちに悪いな」
過酷な旅程を強いてしまったことに詫びると、ペスロは神妙な面持ちで、目を伏せた。
「一刻も早く西へ向かいたいのは私も同じです。デヴン様のお話を聞き、じっとしてなどいられません」
グウィディウスの留学中、第二王子の側近として留守を預かっていた身の責任を感じているのだ。
グウィディウスと同じくらい、ガラベーラの捜索に尽力していたし、留学から帰国したグウィディウスが、いきなり騎士団へ入ったときも、ペスロも迷わず入隊した。貴族の子息であるペスロも、グウィディウス同様、それまで教養としての剣術しか習ってはいなかったのに。
三日をかけて赴いた西の地で、大義名分のための仕事はそう時間のかかるものではなかった。
最短で処理を終えると、その足で、ペスロと二人、リビという村を目指す。
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