269人が本棚に入れています
本棚に追加
ガラベーラの一日は、日の出前に始まる。
家畜には牛が三頭と、山羊が一匹、それと十数羽の鶏がいて、それらの世話からだ。
「おはよう、みんな。もうすぐ陽が昇るよ」
眠い日も、寒い日も、小屋へ行けば動物たちがガレベーラを待っているのがわかって、それはとても嬉しいことだった。
ガレベーラの所有物ではないし、言葉も通じないが、もはや家族だと思っている。
それが終われば、屋敷内の掃除と洗濯だ。午後から牛の乳が絞れた時はそれを売りに行く。
屋敷のそばには、かつて馬がいたころの厩番の小屋があって、ガレベーラはそこで寝泊まりすることを許されていた。
屋敷の主人は、親切ではなかったが、ひどい人たちでもない。
仕事は楽ではないが、こなすのが無理な量ではないし、罰せられることもなければ、金をもらえることさえある。
寝床にはたっぷりのわらと、そこには屋根と囲いがあったし、最初、人が住むにはひどい状態だった厩も自由にしてもいいと言うので、イオにかまどを作ってもらった。
寒い冬に、暖を取れることほどありがたいことはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!