4.牛飼い姫

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*  いつもと同じに早く起き出し、ガレベーラは牛を一頭ずつ小屋から連れ出して、水を飲ませる。  そのうちに空がぐんぐん白みだし、草がいきいきと風に泳ぎ出す。 「おはよう。調子はどう?」  牛たちも山羊も変わりなく、元気な様子だ。ガレベーラに応えるような優しい声で鳴く。  いつもと変わらない朝だ。  ふいになぜか昔の癖が出てしまった。  指で胸元にある石に触れる仕草を、ガレベーラはかつてよくしていた。  そこを飾っていたペンダントはとうの昔にないが、今朝は久しぶりにそれを探してしまった。  ガレベーラがこの村へ来て、季節が巡るのはもう三度目だ。  予定通りなら、グウィディウスはもう帰国しているはずだった。  朝日が昇る。それを全身に浴びる。 「今日もいい朝だ」  いつもと変わらない朝だった。  そして、いつもと変わらない一日のはずだった。
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