5.領主

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 ガレベーラの言葉に、グウィディウスの目の淵がみるみる赤くなっていく。 「……グウィ、元気だった?」 「ああ、なんとかね。過去には、死ぬより辛いんじゃないかと思う時間もあったけれど、今は最高に……」  そこでいったん言葉を切ってから、間をおいて、 「……ガレベーラ、なんだね?」と確かめるように窺った。 「ええ」  互いに声は震えていた。 「ガレベーラ……」 「ええ、そうよ。……見違えたでしょうけれど、そうなの。ガレベーラなの」 「ばかだな。あの朝、遠目でもすぐにわかった。間違いない、君だ、って」  グウィディウスは、一歩、二歩、と心のままに歩み寄って、許しを得ることなく、ガレベーラを抱きしめた。  ガレベーラも、抱擁を咎めることはしなかった。  たくましい腕に抱きしめられるのは初めてで、だが今には、羞恥など全くなかった。  言いしれない安心感が、体の芯から水紋のように手足まで広がっていくのがわかった。  感動はやがて表皮まで届き、ガレベーラの肌が粟立つ。   「ガレ……」  グウィディウスはガレベーラを解放すると、椅子に掛けるよういざなった。  そして、自分も向かいに座る。 「さて、何から話そうか」 「あの、私から先でもいいかしら。いきなりで申し訳ないんだけれど」 「ラナンとペルラの事かな?」 「ええ……、そう……、二人は……」  教会で手渡された手紙は、ラナンとペルラが自分たちで書いたものだった。  二人とも元気でいること、今はグウィディウスの屋敷で世話になっていることが書かれていたが。 「心配しないでいい。僕の屋敷でちゃんと育てているよ」  
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